ナッツ北原の絶叫黙示録

ナッツ北原のちゃんとした記事

世界を席巻した恋のマイアヒ ~隠されたストーリー~

 

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 2003年夏、ヨーロッパの小国モルドバ共和国出身の3人組が後に世界を席巻する曲をリリースした。グループ名はO-zone。原題はDragostea Din Tei菩提樹の下の恋)だ。この曲は隣国ルーマニアでヒットした後にヨーロッパ全土で記録的なヒットになった後、1年後に日本でも社会現象になった。当時のネット上はフラッシュ黄金期で、猫のキャラクター(モナ―)が空耳歌詞に合わせて踊るムービーが2ちゃんねるで流行った。3人のメンバー、ダン・バラン、ラドゥ・スルブ、アルセニエ・トデラシュは20歳半ばでルーマニアのヒーローになった。Wikipediaを見てみると、名曲Dragostea Din Tei(以下DDT)の背景について興味深い記事を見つけたため、当ブログで共有したい。

 

世界を席巻したDragostea Din Tei

実は盗まれていた!?

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 イタリアのレーベル社長が偶然ルーマニア出身者が運転するタクシー内で耳にしたDDTに感銘を受け、同社のレーベルに所属していたHaiduciiというルーマニア系の女性歌手にこれを歌わせる。そしてイタリア国内で大ヒット。れっきとした著作権法違反だが、国をまたいでいたためO-zoneはこれを訴えることができなかった。その後、Haiduciiのバージョンが悪質コピーであることを知った。イタリアのタイムレコードはオリジナルがどことも契約を結んでいないことを知り、O-zoneとすぐさま契約。その後にフランスでO-zoneとHaiducii両者のDDTが真っ向勝負を繰り広げる。結局、若者に受けるビデオクリップもあったO-zoneが勝利して世界へと進出していった。HaiduciiのDDTはコピーではあったものの、最終的にはO-zoneの世界進出にもある程度寄与する形になった。そして、盗まれたと言えば、日本でも………

 

ネットで炎上したのまネコ問題

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これは恥ずかしい

 

 信じられないことに、これはとあるレーベル会社から発売されて、実際に店頭に並んだ。ネット上のフラッシュムービーの製作者、わた氏とコンタクトをとったAVEXは特典の動画も同封して発売。当時の2ちゃんねるではモナ―の商用利用に対して批判的な声もあったが、おおむね好評だったという。しかし、後にAVEXがこのキャラクターをのまネコと称して関連グッズを販売した。

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些細な違いだが、2ちゃんねらーにとっては大きな違い。

さらに、問い合わせに対しては2ちゃんねるのキャラクター「モナ―」との関係はないと主張。これに反感を覚えた2ちゃんねらーが当時社長だった松浦勝人氏(現会長)に対して殺害予告を出し、騒動に発展した。モナ―には著作権が認められないのはもちろんのこと、法律的にも正規の手続きを踏んで発売されたのにも関わらずに炎上してしまった。当時この企画に携わった社員はインターネットに書き込まれた誹謗中傷のコメントを社長と幹部が集合する会議室で報告する日々が2~3週間続いたという…

 

どんなヒット曲にせよ、著作権やセールスの面で問題発生はつきものだ。そうした背景を辿るのも音楽の楽しみ方の1つと言えるのではないか。O-zoneのオリジナルメンバーの3人は現在もアーティストとして活躍している。(しかもまだ40過ぎ、若い!)いつかまた彼らの曲を日本で聴ける日も来るかもしれない。