スーパーマリオサンシャイン~ナッツ北原のゲーム列伝~
ニンテンドースイッチで発売されたスーパーマリオ3Dコレクションに収録された3つのゲームの内の1つ、スーパーマリオサンシャインを遊んだ。残り2つのスーパーマリオ64とスーパーマリオギャラクシーは、実機で遊んだ経験があるが、ゲームキューブというハードには何故か縁がなかったため、今回が初プレイとなった。
3Dマリオは数あるマリオ作品の中でも人気が高いシリーズであるが、同時に難易度が高いことでも知られている。この作品ではマリオが「ポンプ」を背負うことによって、水をかけたり、空中を少しの間ホバー移動するというユニークなアクションが可能になっている。
しかし、ステージにはポンプの力を過信したプレイヤーを貶める仕掛けが用意されている。それがヒミツのアスレチックである。各ステージにある8つのコース選択に最低1つは入っているこのステージは純粋なアスレチックで、偽マリオによってポンプを没収された状態で進まなくてはならない。
南国のステージから一転して宇宙のようなステージになるが、これはマリオの精神世界なのだろうか。シャインをとっても、偽マリオからポンプを返してもらう描写がないまま、気づいたときには背中に戻ってきている。
他にも印象的なことがあった。その1つはマリオのメンタルブレイクダウンだ。基本的に、マリオはメンタル面でもフィジカル面でも強く、幾度となくキノコ王国を救ってきた。その理由の1つが彼のもつ残機という特性である。
再起不能になるたび、1人補充される。たいていマリオが死ぬときは、ステージから落ちるか、敵に倒されるとき。しかし、例外もある。今作の場合はレース用のイカを潰してしまったり、レースに負けただけで残機が減る。赤コインを時間内に集められなかったときにも減る。つまり、体は平気でも精神的に病んでしまっているために冒険をやめてしまうマリオがいるということ。スーパーマリオ64ではここまでメンタルに不調がでることはなかった。レースに負けてもマリオはうんともすんとも言わないし、ノコノコの甲羅を潰してしまっても平気で動きまわっていた。恐らくこれは、マリオが置かれた状況の違いが原因だろう。スーパーマリオ64のストーリーは、突然いなくなったピーチ姫を救うためにマリオが冒険するという往年の筋書きだったが、今作はピーチ姫とのバカンス途中に、前述の偽マリオによって濡れ衣(ドルピック島を汚した罪)を着せられてしまったのだ。しかもその罪を償うため、失われたシャインを島に取り戻す途中、ピーチ姫までさらわれてしまう。もともと休暇中にバカンスを楽しむつもりで来ていただけに、これはショックが大きかったのではないだろうか。
そして、最後に興味深かったステージを紹介したい。
空に浮かぶ巨大なパチンコ台…
マリオシリーズ恒例の8つの赤コインを集めるタイプのステージだ。もちろんパチンコ玉の役割を担うのはマリオである。狙った場所に落ちるのは難しく、多くのマリオが穴から排出され、地上へまっさかさまに落ちていった。これはもしかして、ギャンブル依存の危険を啓発する任天堂のメッセージではないか。
あなたが落としているのはただのパチンコ玉だと思っているかもしれない。でも実は落としているのはあなたの命そのものなのです。