ナッツ北原の絶叫黙示録

ナッツ北原のちゃんとした記事

zeno clash  ~ナッツ北原のゲーム列伝~

 最近は初代PSのようなビデオゲームの黎明期に見られた奇妙な雰囲気を醸し出すゲームがあまり見られなくなったが、steam(PCゲームのプラットフォーム)のセールで私は2年ほど前に奇妙なゲームを発見し、プレイした。今回は皆にその経験を少しでも伝えたい。

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日本語版はあまり出回っていないと思う。

タイトル名 zeno clash  発売年 2007年

開発はチリ、サンティアゴに拠点を置く ACE TEAM このデベロッパーは今作のほかにもアバンギャルドな姿勢で開発した斬新なゲームを生み出し、業界から一目置かれている。正直いってストーリーはたいして面白くはない。パッケージ画像中央の鳥人が、ファーザーマーザーと呼ばれており、他の全員の親を名乗っている。しかし、どうみてもそれぞれのキャラクターが同じ親から生まれてきたはずはない。左の男女は人間で間違いないだろう。一番左端のキャラクターはゲーム内で見かけていない。没になったキャラクターだろう。あとは全員が悪魔超人。動物のようなキャラクターデザインだが、人間と同じ言葉を話す。主人公のガットはこの家族の関係性に疑問をもち、ファーザーマーザーを傷つけ、(殺そうとしたが、実は生きていることが後にわかる)ハルストダム(集落)から逃げ出す。ファーザーマーザーの家族はガットを殺すべく追いかけ、刺客を送る。ヒロインのデドラは彼と共に旅をし、最後はハルストダムに戻りファーザーマーザーと対決する。対決後ファーザーマーザーの口から子供をさらっていた事実が明らかになったところでエンディングを迎える。

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ヒロインのデドラ。ギャグマンガ日和にいた気がする。 

 特筆すべきはこのゲームの突飛な世界観だ。町の様子を見る限り、舞台は石器時代だろうか。建物は石造りでできており、あたりには石や粘土でできた家具や陶器がみられる。ゲームの基本的なシステムは一人称視点でパンチやキックを繰り出して戦う。ボクシングゲームのような感じかと思いきや…

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こういうやつは一番殴りがいがある。

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当然のように銃が落ちている。

銃が使える。一体誰が作っているのだろうか?敵も当然のように銃を拾って使う。画像のようなクロスボウのタイプもあれば、2丁拳銃や火縄銃もある。一対一の殴り合いになった場合、こちらが銃をもつと相手はなにもできなくなる。現実は非情。しかし、実際のゲームプレイではプレイヤー対複数人で戦うことが多いため、悠長に1人の標的を狙っていると、走って近づいてきた他の敵に攻撃されてしまう。そのため銃の出番は限られている。このあたりは上手くできたゲームバランスと言えるだろう。

 このゲームのチュートリアルは突っ込みどころが非常に多い。

  • どこ?
  • 誰?
  • 鳥を蹴る?

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夢?

ここは主人公ガットの精神世界である。そして奥に見える幽霊はメタモクと名のるガットの師匠。ガットはファーザーマーザーを殺す一か月ほど前は、森の中でコーウィドと呼ばれる狂人の集団と生活をともにしていた。その中でこのメタモクという男だけが言葉をしゃべり、ガットになんでもかんでも教えたがったという。

師匠「よし、来たな。修行を始めるぞ」

弟子「はい!…師匠!この鶏は?」

師匠「まず手始めにそいつらを蹴れ」

弟子「えっ?」

何故鳥を蹴らなければならないのかという疑問については、このゲームをやればわかる。基本的に主人公の身長より低い動物全て蹴り上げることになるからだ。さらには主人公の刺客としてやってきたハンターと呼ばれる男が、リスの背中に爆弾を背負わせてけしかけてくるからだ。それを無力化するのにキックが必要になる。意味がわからないと思った人、 詳しくは自分でゲームをプレイしてみてほしい。

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この見た目でハンター?

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どうしてこんなことをするの?