ナッツ北原の絶叫黙示録

ナッツ北原のちゃんとした記事

今日の一曲 "What A Fool Believes"

 久しぶりに書きたくなってので、平日の夜に記事を書いてみる。アメリカのソウルシンガーMichael McDonald(マイケルマクドナルド)とロックバンド Doobie Brothers (ドゥービーブラザーズ)とのシングルヒットであるこの曲は78年発の同バンドのアルバムMinute By Minute で発売されてから1週間もの間当時のビルボードの頂点に登り詰め、グラミー賞も獲得した。内容は、ある男が意中の女性と再会してもう一度ロマンティックな関係を結ぼうと切望するがそんなものはもともと存在しなかったという事実に気づいた、というものだ。悲しげなイントロにも納得がいく。この曲は父親のお気に入りのナンバーの1つで、昔聴いていた時はマイケルマクドナルドのハイトーンな声が子供の耳には珍しく、どんな人間が歌っているのか不思議でしょうがなかった。それはマイケルマクドナルドに限らず、日本人の子供にとって海外のアーティストの声はどれも特徴的で歌っている人の姿が想像もつかないものではないのだろうか。私は当時、NHKで「にほんごであそぼ」、という番組で小錦をよく見ていたのでこの曲もきっと小錦みたいな人が歌っているに違いないと類推していたが、どうやらそれは間違いだったようだ。

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ソウルフルな声の持ち主はこの人だと信じ込んでいた。

 

スーパーマリオサンシャイン~ナッツ北原のゲーム列伝~

 ニンテンドースイッチで発売されたスーパーマリオ3Dコレクションに収録された3つのゲームの内の1つ、スーパーマリオサンシャインを遊んだ。残り2つのスーパーマリオ64とスーパーマリオギャラクシーは、実機で遊んだ経験があるが、ゲームキューブというハードには何故か縁がなかったため、今回が初プレイとなった。

 

 3Dマリオは数あるマリオ作品の中でも人気が高いシリーズであるが、同時に難易度が高いことでも知られている。この作品ではマリオが「ポンプ」を背負うことによって、水をかけたり、空中を少しの間ホバー移動するというユニークなアクションが可能になっている。

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しかし、ステージにはポンプの力を過信したプレイヤーを貶める仕掛けが用意されている。それがヒミツのアスレチックである。各ステージにある8つのコース選択に最低1つは入っているこのステージは純粋なアスレチックで、偽マリオによってポンプを没収された状態で進まなくてはならない。

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 南国のステージから一転して宇宙のようなステージになるが、これはマリオの精神世界なのだろうか。シャインをとっても、偽マリオからポンプを返してもらう描写がないまま、気づいたときには背中に戻ってきている。

 

 他にも印象的なことがあった。その1つはマリオのメンタルブレイクダウンだ。基本的に、マリオはメンタル面でもフィジカル面でも強く、幾度となくキノコ王国を救ってきた。その理由の1つが彼のもつ残機という特性である。

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待機中のマリオたち(イメージ)

再起不能になるたび、1人補充される。たいていマリオが死ぬときは、ステージから落ちるか、敵に倒されるとき。しかし、例外もある。今作の場合はレース用のイカを潰してしまったり、レースに負けただけで残機が減る。赤コインを時間内に集められなかったときにも減る。つまり、体は平気でも精神的に病んでしまっているために冒険をやめてしまうマリオがいるということ。スーパーマリオ64ではここまでメンタルに不調がでることはなかった。レースに負けてもマリオはうんともすんとも言わないし、ノコノコの甲羅を潰してしまっても平気で動きまわっていた。恐らくこれは、マリオが置かれた状況の違いが原因だろう。スーパーマリオ64のストーリーは、突然いなくなったピーチ姫を救うためにマリオが冒険するという往年の筋書きだったが、今作はピーチ姫とのバカンス途中に、前述の偽マリオによって濡れ衣(ドルピック島を汚した罪)を着せられてしまったのだ。しかもその罪を償うため、失われたシャインを島に取り戻す途中、ピーチ姫までさらわれてしまう。もともと休暇中にバカンスを楽しむつもりで来ていただけに、これはショックが大きかったのではないだろうか。

 

そして、最後に興味深かったステージを紹介したい。

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空に浮かぶ巨大なパチンコ台…

マリオシリーズ恒例の8つの赤コインを集めるタイプのステージだ。もちろんパチンコ玉の役割を担うのはマリオである。狙った場所に落ちるのは難しく、多くのマリオが穴から排出され、地上へまっさかさまに落ちていった。これはもしかして、ギャンブル依存の危険を啓発する任天堂のメッセージではないか。

 

あなたが落としているのはただのパチンコ玉だと思っているかもしれない。でも実は落としているのはあなたの命そのものなのです。

世界を席巻した恋のマイアヒ ~隠されたストーリー~

 

youtu.be

 

 2003年夏、ヨーロッパの小国モルドバ共和国出身の3人組が後に世界を席巻する曲をリリースした。グループ名はO-zone。原題はDragostea Din Tei菩提樹の下の恋)だ。この曲は隣国ルーマニアでヒットした後にヨーロッパ全土で記録的なヒットになった後、1年後に日本でも社会現象になった。当時のネット上はフラッシュ黄金期で、猫のキャラクター(モナ―)が空耳歌詞に合わせて踊るムービーが2ちゃんねるで流行った。3人のメンバー、ダン・バラン、ラドゥ・スルブ、アルセニエ・トデラシュは20歳半ばでルーマニアのヒーローになった。Wikipediaを見てみると、名曲Dragostea Din Tei(以下DDT)の背景について興味深い記事を見つけたため、当ブログで共有したい。

 

世界を席巻したDragostea Din Tei

実は盗まれていた!?

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 イタリアのレーベル社長が偶然ルーマニア出身者が運転するタクシー内で耳にしたDDTに感銘を受け、同社のレーベルに所属していたHaiduciiというルーマニア系の女性歌手にこれを歌わせる。そしてイタリア国内で大ヒット。れっきとした著作権法違反だが、国をまたいでいたためO-zoneはこれを訴えることができなかった。その後、Haiduciiのバージョンが悪質コピーであることを知った。イタリアのタイムレコードはオリジナルがどことも契約を結んでいないことを知り、O-zoneとすぐさま契約。その後にフランスでO-zoneとHaiducii両者のDDTが真っ向勝負を繰り広げる。結局、若者に受けるビデオクリップもあったO-zoneが勝利して世界へと進出していった。HaiduciiのDDTはコピーではあったものの、最終的にはO-zoneの世界進出にもある程度寄与する形になった。そして、盗まれたと言えば、日本でも………

 

ネットで炎上したのまネコ問題

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これは恥ずかしい

 

 信じられないことに、これはとあるレーベル会社から発売されて、実際に店頭に並んだ。ネット上のフラッシュムービーの製作者、わた氏とコンタクトをとったAVEXは特典の動画も同封して発売。当時の2ちゃんねるではモナ―の商用利用に対して批判的な声もあったが、おおむね好評だったという。しかし、後にAVEXがこのキャラクターをのまネコと称して関連グッズを販売した。

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些細な違いだが、2ちゃんねらーにとっては大きな違い。

さらに、問い合わせに対しては2ちゃんねるのキャラクター「モナ―」との関係はないと主張。これに反感を覚えた2ちゃんねらーが当時社長だった松浦勝人氏(現会長)に対して殺害予告を出し、騒動に発展した。モナ―には著作権が認められないのはもちろんのこと、法律的にも正規の手続きを踏んで発売されたのにも関わらずに炎上してしまった。当時この企画に携わった社員はインターネットに書き込まれた誹謗中傷のコメントを社長と幹部が集合する会議室で報告する日々が2~3週間続いたという…

 

どんなヒット曲にせよ、著作権やセールスの面で問題発生はつきものだ。そうした背景を辿るのも音楽の楽しみ方の1つと言えるのではないか。O-zoneのオリジナルメンバーの3人は現在もアーティストとして活躍している。(しかもまだ40過ぎ、若い!)いつかまた彼らの曲を日本で聴ける日も来るかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

スーパーマリオボール ~ナッツ北原のゲーム列伝~

 久々の投稿だが、任天堂のゲームを紹介しよう。それもゲームボーイアドバンスの古いソフト。スーパーマリオボールは2004年にGBA向けにリリースされた。マリオのスピンオフ作品で、ボールになったマリオをピンボールのステージで転がし、敵に体当たりでぶつかって倒しスターを集めていく、というのがゲームの基本だ。もちろん、ステージはマリオ風に彩られおり。はてなボックスにはアイテムが入っている。アイテムの例を紹介すると、土管はピンボールの真ん中に土管が生えて、自機が落ちづらくなる。スターは軽いタッチで敵にダメージが入るようになる。ヨッシーの卵は落ちてもペナルティがない自機が増え、マリオと合わせて2つボールを出せるようになる。4つの異なるエリアと全てを制覇すると解放されるクッパ城で必要な分だけスターを集め、クッパを倒しピーチ姫(当然のようにさらわれている)を救出するとゲームクリア。私はこのゲームを小学生の頃にDSで遊んだのを覚えている。そして今日、DS lite の充電コードを買いなおして復活した本体を使ってもう一度やり直してみた。あの頃と同じグラフィック。ステージ構成もしっかり覚えていた。やっぱりピラミッドの内部はイライラする。

 ボリューム不足な感じは否めないが、やってみると面白いゲームだ。グラフィックも当時のゲームボーイアドバンスにしてはかなり良い方だ。しかし、このゲームはすでに発売されていたDSの影響あってか、売れ行きはあまり良くなかったようだ。その証拠にマリオのゲームシリーズにこの作品の名前が挙がることはほとんどない。そもそも、ピンボールというゲーム自体が当時の子供にとってあまり馴染みのないものだったのではないかと思う。あの時一番有名だったのはwindowsのパソコンについていたピンボールゲームだった。この記事を読んでいるあなたも自身に問いかけてみてほしい。最近ピンボールを遊んだのはいつだっただろう。

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今度のマリオは…ボールだーーーーー!!

 

今日の一曲 "Aunty James"

 今日紹介するのは英国のバンド Eyes Of Blue から派生した Big Sleep というバンドの唯一の作品、Bluebell Wood (1971)の4曲目 Aunty James だ。ピアノの静かなメロディーが心地よい。当時解散したばかりのビートルズの影響も受けているのだろうか。Spotifyで音楽を聴いていたらおすすめに出てきた。どうやら、Gentle Giant の4枚目のアルバムから解散までドラムを担当した John Wheathersが参加した作品らしい。こういうメンバーの移籍事情を辿るのもこの年代の音楽の1つの楽しみなのかもしれない。

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ジャケットがかなりいい。フロムソフトウェアみたい

 

今日の一曲 "More Than This"

今日紹介するのはイギリスのバンド Roxy Music の8枚目のアルバム Avalon の1曲目 "More Than This"だ。このバンドはどういうジャンルなのか、一言ではちょっと説明しづらいがwikipediaには、「Roxy Musicヨーロッパ的ダンディズムを感じさせるサウンドと奇抜なファッションから、グラムロックのバンドである」と明記されていた。ボーカルのBryan Ferry は世界的にもかなり評価の高いシンガーで、セクシーでソウルフルな歌声は聴くものを虜にする。ファッションも脚光を浴びているバンドなので、Youtubeに載っているビデオの視聴もおすすめする。

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アルバムカバーも特徴的なものが多い。これは厳かな印象だけど

 

今日の一曲 "The Lady Wants to Know"

今日紹介するのはアメリカのシンガー Michael franksの2枚目のアルバム Sleeping Gypsy の1曲目 "The Lady Wants to Know"だ。これも父親のお気に入りの1曲で、Michael franksは囁くような甘いボーカルとジャズやボサノヴァのエッセンスを取りこんだ美しい楽曲が魅力的なアーティストだ。いつも冒頭のギターメロディーを聴くと夜のビーチを思い浮かべる。内容は夫の嗜好や好みについて理由を知りたい妻と、語りたがらない夫のすれ違いを語る歌だ。

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夕日が射している水面だろうか。