ナッツ北原の絶叫黙示録

ナッツ北原のちゃんとした記事

シャドウタワー ~ナッツ北原のゲーム列伝~

 先日、PS4でゲームをする機会があったため久々に初代PSのアーカイブス(初代プレイステーションの人気ソフトを後継機向けに配信したもの)をPS storeで購入して遊ぼうと思ったら衝撃の事実が発覚した。PS4では遊べない!?どうやらPS3、PSP、PSvitaでしか遊べないらしい。しょうがないので、しばらく眠りについていたPSP(プレイステーションポータブル)を引っ張り出してそれで遊ぶことにした。(PS3をちゃんと保管していれば…)そのとき私は昔の自分が遊んでいたゲームのことを思い出して、それを再プレイすることにした。以下がゲームの紹介である。

 フロムソフトウェアのダークソウルズシリーズの歴史をさかのぼると、初代PSのキングスフィールドシリーズへとたどり着く。今回はそのキングスフィールドシリーズの姉妹作として2作だけ世に生まれたリアルタイムアクションRPGの1作目、シャドウタワー(Shadow Tower)を紹介する。

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ホラーゲームっぽいタイトル画面


 1998年に発売された作品で、2作目のシャドウタワーアビスが後にPS2で発売されたが、売り上げがあまり良くなかったため、2003年以降17年経った今日も続編は発売されていない。私は中学生の頃、アーカイブスでこのゲームを発見して遊んだ。最初はかなり遊びづらい印象のあるゲームだった。当時のPSでは珍しいいわゆるFPS視点のゲームだが、操作性はよくない。方向キーはバイオハザードのようなラジコン操作で上のキーを押したときのみ進む。そして、上下の視点の移動はデュアルショックのL2とR2で操作する。これがPSPだと方向キーの下にある平たいアナログスティックの左右で操作しなくてはならないため、やりにくいことこの上ないのだ。それでもこのゲームをもう一度遊びたいと思ったのはこのゲームにしかない独自性を気に入っているからだ。

  • 全てのアイテム、敵モンスターが有限 

 ダークソウルズやキングスフィールドは、ある程度倒したモンスターも再配置される。特にダークソウルズは篝火からボス戦まで何度も雑魚敵を無視しながら向かうのが億劫になりがちだ。しかし、シャドウタワーでは敵は有限であるため、いちいち移動するときに雑魚敵を気にする必要がなくなる。また、エリアの敵殲滅率をパーセント表示で確認できるため完全に敵がいなくなったことを確認してエリア探索に専念することができるのだ。自分の足音だけが木霊する、敵がいなくなったダンジョンを闊歩するのは非常に満足感がある。しかし、アイテムも有限であるということは、ずさんなプレイをした場合のつむ可能性を意味する。シャドウタワーでは装備に耐久性があり、また回復薬はお店で装備アイテム1つと交換というシステムをとっているため、不必要に回復を繰り返して、装備が1つもなくなるような状況になれば進めなくなることもあるかもしれない。

  • 敵を倒す旅にパラメータが割り振られる

 よくあるRPGの経験値のシステムとは違い、シャドウタワーでは敵を倒す度にその敵が持っているパラメータが直接主人公に割り振られる。例えば、スライムを倒すことによって酸への耐性が上がったり大型モンスターを倒すことによって体力が上がったりする。ほとんどのパラメータは装備アイテム依存になっており、装備重量(装備できるアイテムの重さが決まっており、超過するとダメージを受け続ける)を視野に入れながら一番いい装備を吟味する作業が楽しい。

  • 独特のキャラクターデザイン

 とんでもなく気持ち悪いデザインのモンスターが勢ぞろい。

バイオハザード2の寄生虫そっくりのモンスター、トランペットを吹きながら歩きまわるピエロ、進撃の巨人そっくりな顔のモンスター、巨大な十字架にこびとづかんのこびとの顔がついたモンスター、極めつけは、耳たぶで歩く巨大な老人の顔のモンスターだ。

その他にも一見敵のように見えて話しかけられるモンスターがいたり、ただ呪いをかけていたずらしてくるだけのモンスターもいる。主人公は仲間を連れていないため、こうした敵との出会いも癒しとなる。

 シャドウタワーは一見とっつきにくい印象をもつゲームだが、だからこそ愛着がわきやすい。もし自分が将来3Dゲームを作るようなことがあったら、このゲームの続編を作りたい。

MASSIVE ACTION GAME ~ナッツ北原のゲーム列伝~

 FPSというゲームジャンルがある。ファースト・パーソン・シューティングの略称である。任天堂のゲームばかりプレイしていた小学生の自分はこのジャンルのゲームに出会い、のめり込んでいった。

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酔いやすい体質の人はこの手のゲームができない。

それはオンラインゲームとの出会いでもあった。家に無線LANルーターが導入されてから、私の兄貴はPS3を購入後有名なFPSゲームを遊ぶようになった。それはBF(バトルフィールド)シリーズやCODコールオブデューティー)シリーズのゲームだった。具体的なタイトルを挙げると当時のPS3ソフトBFBC2CODMW3などだ。

 しかし、私の兄は自分が買ったゲームソフトを私に遊ばせることはなかったので、後に高校生になってPS3がお祓い箱になるまではそうしたFPSの人気タイトルは人が遊んでいるのを見るだけだった。その当時、何も遊べず見かねた兄が私に勧めてきたゲームがこれだ。

MASSIVE ACTION GAME(MAG) Zipper Interactive というSOCOMシリーズで有名な開発元によって2010年にリリースされた大規模オンラインFPSゲームである。4年ほどサービスが続いたのちに終了。その後この会社は閉鎖されてしまい、続編は出ていない。

 今考えれば、このゲームは当時の他のFPSゲームと比べてあまりゲームの質はよくなかったかもしれない。グラフィックはPS2程度しかなかった上に、売りにしている256人対戦ができるのは1つのゲームモードに限られている。さらに、リスポーン地点は1か所か2か所に固定されていて一方的な試合展開になることもあったしスキルツリーはレベルが上がるごとに1つ解放されるというRPGみたいな仕様だった。しかも、この手のゲームには珍しいフレンドリーファイアがありだったため、味方を意味もなく殺そうとするプレイヤーもいた。印象に残っていたのはバンカーの爆破地点で起きた仲間割れである。このゲームには自分の戦場での成果によって実績を解除できるシステムがあり、バンカー(敵の拠点)に爆弾を仕掛けた人にも実績が与えられる。この実績欲しさに設置しているプレイヤーを殺す不届き者がいた。もちろん、それを見ていた別のプレイヤーから制裁が入ったが、そこにあったのは本物の人間の争いだったと思う。所詮はゲームかと思ってしまうが、そのゲームプレイの中でこのような人間の醜さが現れる瞬間は何度も見てきた。

 それでもこのゲームは自分にとって刺激的で記憶に残っている。知らない年上の人とともにオンラインでゲームをする経験はある種の優越感があった。まるで、自分が1つ上の次元にいるかのような錯覚を覚えていたのだ。(子供だったから)2020年現在、オンラインFPSバトルロワイアルのブームがまだ続いている。もちろんApex Legendsのようなゲームは面白い。CODとBFは健在だけれども、MAGのような安っぽくて大人数で参加できるタイプのゲームは見なくなった。今一度あの体験を反芻してみたいものだ。

 

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欧米版

 

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北米版

 

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欧米、北米版の軍隊が象徴的なデザインとは違い、

ぱっと見何のゲームかわからない日本版のカバー。 表現規制だろうか?

 

今日の一曲 "Babylon Sisters"

 今日おすすめするのは、アメリカの有名ロックバンド Steely Dan が1980年にリリースした7番目のアルバム Gaucho の1曲目 Babylon Sisters だ。この曲も父親のお気に入りで、重厚なジャズセッションとボーカルが完璧な曲だ。Pegと並んでSteely Dan の最高傑作といえるだろう。レコーディングにこだわって1億円もの金額が制作につぎ込まれた今作はまさに大人向けの音楽。6枚目の Aja と合わせて必聴のアルバムだ。

youtu.be

今日の一曲 "Star Child"

 今日紹介するのはイギリスの超大物アーティスト Jamiroquai の6作目のアルバム Dynamite の5曲目 Starchild 昔から好きなグループでこのアルバムもお気に入りの1枚に入っている。あまり90年代の音楽は聴かないけれど、このグループは特別だ。最初にファンキーなギターのカッティング、続けてベースが後を追うようにして加わり歌いだし。ここまでですでにかっこいい。自分がファンクを好きになったのは明らかにJamiroquaiの影響だと思う。

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白黒は名盤の法則

 

今日の一曲 "Slightly All The Time"

 今日紹介するのは、イギリスの有名バンド Soft Machine の3作目のアルバム Third の2曲目の "Slightly All The Time" 4曲構成のアルバムでかつどの曲も18分ほどの長さがある。サイケデリックロックの1枚目、2枚目のアルバムからメンバーチェンジとともにバンドの雰囲気も変わってジャズ色が強くなっていったこのバンドの初期の名作であり、世界的な評価も高いアルバムだ。眠れない夜は暗い部屋でぜひこの音楽に聴き入ってもらいたい。ひとたび流れるようなサックスのメロディーに身を任せれば、ハマること間違いなし。

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硬派なアルバムカバー。段ボール

 

今日の一曲 "Flat Tyre"

 今日の一曲はオランダのジャズフュージョンバンド Ekseption の元メンバーで構成されたバンド Spin の2作品の内の1つ目の作品 Spin このアルバムの7曲目 "Flat Tyre" 良質なインストゥルメンタルだ。Youtubeのおすすめに上がってくれて本当にありがとう。全体的にファンキーな楽曲が多いこのアルバムだが、2作目のWhirlwind は雰囲気が変わって全体的にメロウな雰囲気に変わる。

 1:17からのメロディーがちょっと椎名林檎の能動的三分間っぽく聞こえる。

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左側に猫が2匹

youtu.be

今日の一曲 "Air Born"

 今日紹介するのは英国のプログレッシブロックバンド Camel が76年にリリースした4作目のアルバム Moonmadness の6曲目 "Air Born" このバンドはインストゥルメンタルが好きな自分にとってハマりやすい曲が多く、また叙情的なサウンドに惹かれていった日本人のファンもなかなか多いらしい。フルートの寂しいメロディーから始まり、メロトロンが物憂げな雰囲気で包み込む。まるで気球に乗って霧がかった空を旅しているような風景が頭に思い浮かぶ。

このバンドはどうやらトルコで人気があるらしい。Youtubeのコメント欄にもトルコ人のコメントがたくさんあった上に、知らないトルコ人の配信を見たらCamelのファーストアルバムの曲がかかっていたことを覚えている。トルコ人と気が合うかもしれないな。

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一番好きなアルバムカバーかもしれない。